懐かしくて、ダサかっこいい──バーバリーの最新コレクション

クリストファー・ベイリーのハッピーなラストメッセージ。2018年3月にバーバリーのデザイナーを退任する彼が手がける最後のコレクションをリポート。

文:日置千弓

TIME、すなわち、時間。それが、バーバリーにおけるクリストファー・ベイリーのラストメッセージのテーマである。過去、現在、そして未来。クリストファーはなかでも遠い過去、自らが15歳だったころにまず着目し、そのストーリーを服で語り始める。

それは、ファッションが熱かった時代のこと。カラフルで奇抜なものがファッショナブルだった頃。まだデジタルは時計にしかなく、カルチャー・クラブやデュラン・デュランをカセットテープで聞いた80年代半ば。

その頃は日本でもベルボトムのなごりのあるパンツを履く人が、まだ一般的だった。パーカは学校の部活のものを着たりしたが、もっときれいな色で揃えた他校のテニス部が、うらやましくて仕方なかった──。

というような時代を感じさせる服が今、最も格好よく見える。自分が体験した過去ではなくても、なぜか懐かしく、その日に帰りたい。だからつい、ヴィンテージショップに行きたくなる。高感度なファッション人間ほど、その傾向にあるから、服飾業界は困る。

しかし、そこにクリストファーは、思い切り「待った」をかけるのだ。自らの過去をアップデートして、もっとかっこよくしたよと教えてくれるのだ。

たとえば発色がソフトで美しいパーカは、ナイロンではなくシルク100%。肩のところにタイダイでアートな柄が浮かびあがり、ヒッピー気分も味わえる。襟もとに配されたシグネチャーチェックは、そのままライナーの全面を覆う。すなわち裏返せばバーバリーチェックを楽しめる、リバーシブル仕様である。